本講演ではまず、漸近挙動を持つ代数的超ケーラー計量とツイスター空間の背景を概観し、主ツイスターモデル(PTM)と呼ばれる複素多様体を導入する。続いて、PTM の普遍性に関する主定理と、その系であるモジュライ空間への応用を紹介する。主定理において示される普遍性の内容は以下の通りである。錐的シンプレクティック多様体 X がクレパント解消 Y を持つとする。このとき、X の非特異集合上の超ケーラー錐計量 g_0 に漸近する Y 上の任意の代数的超ケーラー計量 g に対して、それと対応するツイスター空間は PTM を切り出すことによって一意に復元される。講演の後半では、普遍ポアソン変形の理論に基づき PTM を構成し、その普遍性の証明について解説する。
E をコンパクトリーマン面上の滑らかな複素ベクトル束とする。 Higgs pair とは、E の Higgs 束の構造 D″ と、E の滑らかな切断 s で、 D″s = 0 を満たすものの組 (D″, s) のことをいう。 Higgs pair は、Bradlow によって導入された holomorphic pair の一般化とみなせる対象であり、 実数 τ に対して、その τ-安定性が定義される。
Higgs pair は、2003年に Mehta によって導入された概念である。 τ-安定 Higgs pair のモジュライ空間については、そのある開集合が非特異な複素多様体であることが Mehta によって示されている。本講演では、実数 τ を適切に選び、rank E と deg E が互いに素であるという仮定の下で、 このモジュライ空間が大域的に非特異であることを示す。また、rank E = 2 の場合に、このモジュライ空間の Betti 数を決定する。
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